立位と歩行を考える①:荷重・支持・安定とは何か?

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荷重感覚がない、支持性が低い、安定性が低い…

臨床場面でこのような用語を使うことは少なくありません。

でも…案外意味が良く分からないまま使っていたりしないでしょうか?

 

いざ後輩から質問されると、何となく答えたりしていませんか?

 

そこで改めて言葉の意味を調べてみると、そうゆうことなんだ!なんて発見はよくあります。

 

では今回は立位・歩行の評価・介入にとって、よく出てくる下肢の荷重・支持・安定について考えてみたいと思います。

 

用語の整理

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荷重というのは”力”のことなんですね。

ということはですよ、「荷重訓練」って用語は違和感が出るわけです(とは言っても使ってますが)。

 

ヒトに当てはめると、荷重訓練とは

関節または関節構成体、または支持面に対して力を加える訓練

となります。間違ってはいないようにも感じます。

 

でも多分、荷重訓練という用語を使う際に、セラピストがイメージしていることは

荷重に対して、より適切な対応ができる能力の向上

*荷重=関節または関節構成体、または支持面に対して加わる力

 

じゃあ適切な対応ってなんだ?ということになります。

 

そこで次の「支持」という用語をみてみます。

支持=ある状態が崩れないように維持する

何となくイメージできますか?では前述の「荷重」と「支持」を組み合わせて考えてみます。

 

立位・歩行における荷重”支持”

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という解釈ができるのではないでしょうか?

実際にはただ下肢に垂直方向へ重さが加わるだけでなく、移動を伴えば重力加速度、床反力、関節モーメントなどの物理の授業で聞いたことのある力が加わるわけですが。

 

支持=ある状態が崩れないように維持する

 

という用語から考えますと、

下肢へと加わる荷重に対しても、

立位での何らかの行為や歩行(移動)の遂行という

目的を果たせる状態を維持する

 

と言い換えることができるのではないでしょうか?

 

荷重感覚の正体は?

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ということは臨床的に荷重感覚という言葉を使用している場合、

関節や関節構成体に加わる力(荷重)というpassiveな感覚(実際には知覚ですね)ということではなく、

荷重に対して、立位(での何らかの行為)や歩行を果たせるよう、転倒せず、移動が行える状態を維持するために下肢が活動している、というactiveな知覚の状況

のことを指していると考えます。

ざっくりまとめると荷重感覚は、

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となります。

ではスライドにもありますが、下肢がどんな状態でも良いのでしょうか?

O脚やX脚、膝の伸展ロック、しかも痛みもある、左右の重心移動が大きい、Trendelenburg’s sign(+)でも立って、歩ければ支持性は良い?

支持=ある状態が崩れないように維持する

でしたね。立つ、歩くという状態を維持する、と考えれば支持はできているとも解釈できます。

でも「関節適合を保ち、力の伝達を円滑にする+関節または関節構成体への負荷をできるだけ少なくする」状態を維持する、

その上で立つ、歩くという前提条件を加えると、支持性が良いとは必ずしも言えなくなりますね。

 

荷重訓練、支持性が低いって何?支持性を上げるって何?ということを再度振り返る機会になれば幸いです。

 

今回はここまで。

では第二回は、皆さん大好き「安定」について考えます。

 

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