多職種連携に必要なのは、意見ではなく視点の共有

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カンファレンスやカルテ情報、セラピスト同士の業務後の会話だけで、多職種連携はできるのでしょうか?

それなら職種間連携に悩むセラピストはいないはず。またはその現状で連携ができていると思っているのかもしれません。他の職場の連携度合いは分かりませんし、見学にいって表面的な連携を見るだけでは分かりませんしね。

あとは専門性と連携という言葉を盾にしてこれはPTの領域じゃない!とかOTの仕事じゃない!とか言って他職種に丸投げしてたりはしませんでしょうか?

少し自分自身や職場の多職種連携を見直してみましょう!

 

PT・OT・ST、そしてセラピストごとの強み・弱みを知る

ということで先日は東京のとある病院の連合会様よりご依頼を頂き、講演をさせて頂きました。

 

テーマは、

「摂食嚥下のための座位の姿勢分析とアプローチ」です。

PT・OT・STさんが各グループに入るようにグループ分けをしてもらいました。

講義・実技はもちろん行いましたが、

以下のことを参加者の方にも行ってもらいました。

 

座位姿勢を絵に描く:

その後書くグループにて、メンバーに絵を見せ合う

 

グループディスカッション:

良い食事のための座位姿勢とは何か?何をもってポジショニングが良いと判断するか?

 

グループ実技:

座位姿勢を変える前後での、飲み込み(お茶など)と舌の動きの変化

 

実際に書いた絵をお互いに見ることで、座位姿勢をどのように見えているのか?何をポイントに見ているのか?意外にSTさんは絵を書くこと自体を経験してない人もいるんだな。PTさんはそんな細かいことまで姿勢を見るんだな。

とまずはお互いの見ている視点を共有してもらいました。

 

口頭だけで

骨盤が傾いている、右肩が下がっている、円背だ、側屈している

と言った表現でも何となく伝わったりします。

ただその程度問題であったり、3Dなイメージや各部位の関係性は口頭だけで説明しようとすると限界があります。

そのために絵を描いて、第三者にもイメージが伝わることや、グループ実技の際にランドマークをどう触れて、どこを比較することで左右差を評価しているのか?を触診が得意なPTさんがSTさんや新人さんに教えてあげたりと、またSTさんに舌骨や喉頭の触診や舌の動きの見方をPTOTさんに実際に被験者を通して伝えてもらいました。

こーゆうところを見て、PTさんは姿勢が崩れている、STさんは舌の動きが悪いって評価しているんだね!とまずは知ってもらうこと。また逆にPT・OTさんは舌の動きの評価とか、舌骨の触診が苦手。STさんは頚部より下の骨・筋の触診や評価が苦手。下肢筋までいくと名前は知ってるけど…という方もいる。

ということをまずは知ってもらいたいんですね。それを知ることではじめてPT・OTとSTさんが会話をする際の共通言語が見えてきます。

 

多職種連携の基本はリハ同様に課題難易度設定だ

 

上記のような状況がある職場では、PTがカルテ記載や会話の中で

「●●筋が弱く、股関節が不安定」とか書いても、言っても、

 

STさん、またはOTさん(もちろん人によりますが)的には

 

「は?」

 

ってなってます笑。

 

分からないことは、多分気にも止められずに、

PT・OT・STさんそれぞれの解釈による介入が行われてしまう可能性があります。

 

だからこそ、PT・OT・STさんがお互いに持っている知識や価値観、得意分野、苦手分野を知っておく必要があります。

 

まずは相手のことを知ること。興味を持つことが大事ですね★

 

どんなに正しく、専門的な説明をしたとしても、相手のセラピストが理解できなければ、患者さんに反映されることはありません。

 

皆さんは、患者さんに提示する課題の内容や声かけの言葉の選択を、患者さんができる・分かるよう工夫しますよね?いわゆる難易度設定です。

 

これを一緒に患者さんを担当するセラピストや看護師さんなど関わる方ごとに行うだけです。

伝わる言葉は何か?相手のニードは何か?

 

聞いたことはありますか?確認したことはありますか?

 

リハと同じです。どうですか?簡単でしょ?

 

表面的な言葉の共有では意味がない

 

体幹が弱い

座位が不安定

転倒リスクが高い

 

このような言葉をよく耳にします。もちろん間違ってはいないかもしれません。

ただ表現が曖昧すぎると、その解釈も多種多様に渡ってしまいます。

 

例えば「座位が不安定」という表現では

見た目の非対称性だけを言っているのか?対称性を保つための筋活動がないのか?もしそうなら何の筋なのか?

 

静的座位なのか動的座位なのか?

 

何となく動揺が大きいのか?

 

上肢の支持がなければ保持できないのか?もしそうなら何の要素を上肢が補っているのか?

 

 

その解釈が異なってしまえば、PT・OT・STの介入目的は「座位バランスの向上」だとしても、そのターゲットも効果判定も異なる可能性が出てしまいます。

 

なにをもって座位が不安定なのか?

なにをもって座位バランスが向上したと言えるのか?

それは臨床場面でどう確認していくのか?

その先にどんなゴールがあるのか?

 

そこまでを共有・意見交換してこそ、患者さんと関わる多職種のスタッフのベクトルが近づいていくのではないでしょうか?

 

普段から意識して、相手(多職種スタッフや他のセラピスト)へ伝わる情報提示の仕方を工夫してみましょう!

 


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