脳はシステムとしてとらえる


昨日のbrogで


脳画像を見る際に



どこが損傷を免れており、行かせる脳の機能・システムはどこか?

と書きましたが、これがなかなか難しいと思います!

正直僕もわかりません(笑)

でもシステムとして絶対に捉えないといけないのです!!

なぜなら

脳が回復するときに

vicariation(代行作用)やdiaschisis(機能解離)からの解放が起こり

いわゆる可塑性が起こることが、システムとしてとらえなければいけない証明だと思っています

具体例を上げると(いつもわかりにくいですが笑)

日本もシステムとして成り立っていますが、今回の東日本大震災を例にすると

一番被害が大きかった所が東北ですが、周囲の茨城や埼玉、そして東京、またまた我が静岡など離れた所にも、なにかしらの被害が出ています

これがいわゆる 「diaschisis」です

一見損傷を受けていない領域も、損傷部との神経結合により、脳血流や代謝が減少し、働きが一時的に低下することを言います

では、話をもどして

日本が回復していく過程は

まずは遠く離れた静岡やら千葉やらなどが回復が先だって起こると思います。もちろん同時進行に起こるかとも思いますが、回復しやすいのは、損傷が小さい所です

脳も同じで、大出血の時は、

損傷部が一番強く損傷されますが

次に連合線維で関係が強い同側の機能も低下

されには脳がパンパンに張れ(脳溝の狭小化)、反対側の脳が圧排され(ミッドラインシフト)

反対側の半球も機能低下が生じます

このような脳が回復していく過程は

逆をたどればいいのです

つまり遠い反対側の機能から回復し、そして徐々に同側の離れた部位、最終的に損傷部の回復に収束していくのです

しかし損傷部の完全回復が見込めない場合でも

その周りが助ける

これが「vicariation」です

有名なのが

一次運動野(M1)の損傷時は

SMAや運動前野(PMA)が、連合線維による皮質間結合により、M1の機能を代行することや

反対側のM1が交連線維による半球間抑制の影響?により、同側の錐体路を賦活させたりと・・・

でもちょっと話はずれますが、ここでブレイクタイム♪笑

「解き明かされる脳の不思議」というマニアックな本から引っ張り出しますが

手指の機能回復をみたときに

回復初期は、麻痺手の同側・反対側のM1の活動が見られ

つまり同側錐体路の活性化が存在しますが

その後の回復安定期では、麻痺手と同側半球のM1の活動が消失し

損傷半球のM1や腹側運動前野(PMv)の活動がより顕著になっていきます

より活動部位が時間経過とともに

非損傷半球から 損傷半球へと移っていきます

しかし

一般的に回復がよくない患者さんほど、同側のM1の活動が高いと言われています

これはどう考えればいいのでしょうか?

1つは同側のM1が回復の邪魔をしていること

回復安定期はより損傷半球側に活動が移っていくため、いつまでも同側のM1が活動していることが回復の妨害になっている

これを応用したのが、低頻度の電気・磁気刺激

もう1つは障害がひどいため、いつまでも同側のM1の助けを受ける必要があるという考え方

これは全く逆の考えですね

半球間抑制っていいますが

1つ目は確かにこの言葉で納得しますが

2つ目の考えでは、抑制っていうより助け合いなイメージで

実際どちらが正しいかは

・・・分かりません(笑)

ただ脳の回復過程には、時間依存的に脳の違う領域の活動が増加することが明らかではあります

ブレイクタイム終了ですww

また長くなってしまいましたが

脳のどこが損傷を免れており、行かせる脳の機能・システムはどこか?

ですが

脳の中を見れないですし、活性化しているとも分からないですが

システムとしてとらえなければならない脳

可塑性に富んで、それを少しでも活性化させるためには

上記のような知識や知見が必ず臨床につながってくると思います

他にも

大脳ー小脳のつながりを生かし、良いアライメントで歩いて、錐体外路の生かして学習を図ったり

USN患者に、右側の注意を下げたり、非麻痺側の感覚入力を抑えたりするようなtaskを与えたり

CI療法も同側のM1の活動を抑えるワケだし

パーキンソン患者に、視覚・聴覚的な手がかり(外部)から学習を図ることも、脳の違うシステムを使うわけだし

もしかしたらミラーニューロンシステムを利用して、随意運動の回復も図ることもできると思うし

脳損傷が大きく、急性期なら非麻痺側の方からアプローチが有効かもしれないし

局所的な錐体路の損傷なら、意識的に能動的に、集中的なtaskが有効かもしれない

言語野は損傷していないけれど、左半球損傷は案外、言語的処理が遅いかもしれないし

認知症や前頭葉損傷なら、行動は情動に強く影響を受けているかもしれないから、声掛けや表情1つなど、もしくは環境の変化のない場所・taskに注意を置くことができるかもしれません

もちろん脳をシステムととらえても、患者さんにとって一番の有効な治療を提供できることが大切なので

そのツールとして、こんな考え方もあってもいいと思います☆

でもこんな風にシステムとしてとらえると

また違った視点で学習を図れるような考えになったり

脳の残存機能を生かしていく考えになったり

脳のバランスを考えられるようになったり

できるかもしれません

でもやっぱり大切なのは

目の前の患者さんに、オーダーメイドの治療ですね♪