リハビリのコツ:支持性が低く上肢依存の強い症例

blog11

「支持性が低い」そして「上肢依存が強い」。
あいまいだ!と怒られました学生時代(笑

 

今回、上肢依存が強く肩の痛みにつながってしまい、その後治療効果が出た症例の話をさせて頂きます。

この方はBrSはⅤで、麻痺側で上肢支持ができるので歩行器歩行を選択しました。

下肢の支持性が低い(詳細は省く)ため上肢に頼ってました。

肩挙上時に、肩関節屈曲、肩甲骨の上方回旋が制限され、肩の挙上が見られ、上部僧帽筋や肩甲挙筋に痛みを訴え、屈曲90度程度でした。(幸い肩関節には痛みがなかったです)

 

痛くなってしまった原因を考えたところ

⑴肩甲骨の下制、下方回旋により常時、僧帽筋が伸長位

➡︎肩甲骨のアライメントの修正

⑵日常生活上での原因

食事や自主練としての書字訓練では肩の代償あり
➡︎車椅子ではなく、イスで食事や日中過ごす
➡︎テーブルの高さ調整し姿勢を指導する

寝方。非麻痺側側臥位をとることで、枕がないと頭がおち僧帽筋周囲が伸張。
➡︎大きい枕に変える

⑶上肢依存が強い。今回の話のメイン

上肢で体重を支えるとは、脊髄損傷のプッシュアップと似ていますね。主導作筋は、三角筋、上腕三頭筋、前鋸筋、大胸筋、広背筋、僧帽筋などです。

この方は、三角筋が低緊張で、肩甲骨のアライメント不良。歩行時は常時上記の筋活動が求められる。
するとかなり前鋸筋の活動がかなり強くなってました。

僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋群は圧痛もありましたが、気持ちいいという感覚

大胸筋も特に停止部や肋間にて圧痛あり

広背筋はそこまで過活動ではなく

三角筋や三頭筋は低緊張で圧痛は全くなし

円筋群も日による違いがあったが、強い圧痛はなし

前鋸筋が1番表情が翻るくらいの強い痛みを訴えました

上肢屈曲時に、肩甲骨下方回旋することで、前鋸筋にはより強い収縮が促され、三角筋が低緊張により肩屈曲筋が働きにくいため、僧帽筋や肩甲挙筋のような肩挙上で代償するため、さらに前鋸筋への負担増。その中で歩行時に体重を支持する。日常生活でも僧帽筋が習慣的に使用される。その結果筋の硬さが起こり、循環不良となり、自動収縮時に僧帽筋に痛み、前鋸筋にも強い圧痛が現れてしまったと考えました。

 

ただ肩関節周囲のインピンジメントではない痛みでした。

そこで前鋸筋をモビライズし(肩周囲全体的にも柔軟性を引き出しましたが)、その後は大胸筋や僧帽筋等が緊張が高まらなず、肩の三角筋の出力で肩を動かす経験。また肩甲骨のアライメントとはできる限り保ち。

そんな練習のあとは、肩の痛みがなくなり、日の経過を追うごとによくなっています。

今回は比較的上肢が動かせる方で、下肢の支持性を高めていく中で、肩の硬さが出てしまいました。

特に日常生活をみたり、機能解剖学的に前鋸筋の集中的にマッサージし、屈曲の再学習を促したことで痛みがとれた症例です。
上肢依存が強い方はたくさんおられるかと思います。

やはり
機能解剖学的に、
運動学習的に
日常生活も考慮し、
あと、神経学的に
評価ー介入ができると良い効果が表れると感じました。


blog11