基本動作をバランス良く行うことで、効果が得られた症例

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基本動作の重要性

積極的に立位や歩行を行う風潮の中、寝返り、腹臥位、パピーポジション、四つ這い、正座、横座り、両膝立ちも本当に重要だと思います。

僕自身、起立や立位、歩行を積極的に行うタイプだったので、最近は改めて上記を取り入れて、バランス良くリハを行っています。
理由は簡単。バランス良く行った方が良くなるから。

バランスが大事。
(何か1つで良くなることもありますが)立位だけの練習だけよりも、5分くらいの課題を数種類行なっった方が、つまりサーキット様に様々な課題を反復した方が良いですね。

慢性期脳卒中の論文でも、サーキットトレーニング形式の効果は既に言われていますし。

起立ができ、立位保持も手すりもってでき、歩行は介助の方でも、寝返りや麻痺側への側臥位、うつ伏せ、あぐら、横座り、両膝立ちが、上手く出来なかったり、もしくは経験していなかったり。

そのような患者さんに上手くできる、楽にできるコツを教える。

または経験させてあげる。

それだけで起立や歩行に影響します。

もちろん床上動作を行い、かつ起立、立位、歩行の訓練もばっちし行うことでさらに効果がでます。
(なかなか時間がないと絞った練習しかできませんが)

寝返りや麻痺側側臥位、うつ伏せ、横座り、両膝立ちなどは僕は床上動作と読んでいるのですが
特徴は
①重心が低く、支持基底面が広いため課題の難易度設定が行いやすい
②その動作の効率化や練習自体が課題の達成となるだけでなく、身体機能の改善や歩行の動作改善に寄与する
③床に向かって目線が落ちやすいため、視覚の変化を捉えやすく、加え体性感覚も豊富に入るため、いわゆるボディイメージの形成につながりやすい(のでは?)
④起立、立位、歩行は下肢➕体幹の要素の訓練につながりやすいが、床上動作は体幹、骨盤機能の改善に寄与しやすい

➡︎選択的に骨盤の動き、体幹の抗重力反応を引き出しやすい課題
➡︎脳卒中でよくある、近位筋の筋緊張の弱さに対し、収縮を促しやすく、また緊張の高い筋を抑制し、全体の筋緊張の調整でき、学習できる身体作りが行いやすい

 

でも注意したいことは

⑴それだけでもダメで、やはり起立や立位、ステップ、歩行の訓練を設けた上でかと思っています。だから指導や注意すべき点を教え、自主練習や病棟練習で起立、歩行の量を確保することが大切です。そのためには何度も言う実感がありき!

⑵もう一つは、能動的に動くこと。ハンドリングで寝返りを上手く行うことが目的ではなく、ハンドリングで他動的に感覚を入れるものでもなく、介入の初期に必要な方はいるかと思いますが、基本的には能動的に動くことが基本。
最初は上手く動けなくても、何回も行うとコツをつかんでくる方もたくさんいる。
セラピストはその何回か、待つことが大切。

3回や5回で上手くできると思わないで、10回や15回くらい行うと、「あっ」となんとなく上手くなる方も多い。
「先程より楽に動けていますね」
それを実感できることも多いです。
だからセラピストは完全に上手い動きだけを行わないといけないという感覚が、少し強いのかなーと思います。
もっと気楽に。
何が上手くいっていないか?と評価ができれば、治療はシンプルになるし、何に注意させてあげればいいか?課題にどんな微調整をしてあげたら分かるか。

今回は床上動作や起立の中で変わった症例ということで70代、放線冠の梗塞で、麻痺はステージ5で、歩行も見守りでできていました。肩、股関節は低緊張がメインでした。

寝返りはまぁ苦手で、これだけ身体機能が良いので、麻痺側の身体を存分に生かし、臀筋群や肩甲骨周囲筋の筋収縮を積極的に促すために、寝返りや横座り、四つ這い、両膝立ちをおこないました。

動作性急で、寝返りではいきおいや足で蹴って伸筋群で代償。四つ這いや横座りから側臥位になる動きも上肢の依存が強いため、頭から横向きになっていました。

よくいると思いますこういう方は。腹斜筋を使いながら、楽に寝返る。体幹や骨盤を積極的に動かし、無意識的に賦活を図る。(意識しても良いです)

床上動作は上でも示しましたが、体幹や骨盤を積極的に動かせる動作であることです。

骨盤と体幹を分離させて横座りになったり
パピーポジションで腹部の収縮を入れやすかったり
横座り、正座、あぐらになることで臀筋群の荷重となり収縮が入りやすかったり
などなど

こういった動作の中で、楽に動けるように誘導や指導した後に、起立や歩行をがっつし行った方が、最近は効果がでやすいです。

それでも、この方には起立でコツも教え訓練して、実感を与えることができたので、その後の歩行が全然違うとおっしゃってくださいました。代行なので一回のセッションだけではなんともいえないですが
「足がしっかりした」
「今までは足を高くあげて振り出していたけど、今は違う」

この言葉が出てきます。

ポイントを絞って行うことも大事ですが、時間がある時は床上動作も行い、しっかり起立、立位、歩行とつなげていく基本的な訓練が功を奏すると感じました。