脳卒中リハで長下肢装具は有効か?

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昨今のリハはエビデンスを重視したアプローチが提唱されています。
歩行の装具においても同様です。

脳卒中片麻痺患者さんおいて、短下肢装具に関しては強いエビデンスがありますね。
歩行スピードを上げる、歩容を改善するなどなど。

長下肢装具に関しては、まだ十分なエビデンスはございません。
私は長下肢装具を使用するので、そちらを重要視して書いてしまいますが。
まず、

短下肢装具と長下肢装具の違いは膝を覆っているかどうか。

短下肢で強いエビデンスがあるのなら、長下肢でも「適用」によっては、効果はあると思っています。

長下肢装具を利用すると、立位の取りやすさ、2動作歩行の練習、それらの量の確保が容易です。

また足関節、膝関節の自由度をなくすことで、股関節の動きの再学習に効果的です。

そしてなにより膝折れしない患者さんの安心感が得られます。

学術的にも、長下肢装具の有効性は出てきています。
解剖学、バイメカ、脳科学からいっても、理論的です。

ただ、理論は良いけどね。

たぶん使用してみないと分からないです。

エビデンスというのは(長下肢装具はまだ不十分ですが)、大まかな戦略や行っていくべき方向性を示してくれますが、

じゃあそれを実際やって上手くいくかは、そのセラピスト次第。

どんな治療も先輩と同じようにやっても、同じように効果がでないのと同じ。

実際、長下肢装具においても、

○患者さんが装具に頼りすぎる、もたれかかりすぎる

○介助の方法で全く違う促通になる

○装具の角度の微調整

やってみないと分からないことがたくさんあるのです。

そこを試行錯誤して行わないかぎり、どんな治療法でも上手くいきませんよね。

エビデンスの高いリハは、大方間違いはなく、比較的効果が得られやすいと思います。

でもセラピストしての力量はその先にあり、その高く得られやすい効果のある治療を、どう適切に使い、最高のパフォーマンスを提供

できるかです。
とすると、タイトルの「脳卒中リハで長下肢装具は有効か?」

 

答えは、使うセラピスト次第

 

冒頭の、「どうやるか?」がポイントですね。

ただ私個人が勉強してきた中で(かなりのバイアスがあるかと思いますが)

○立位、歩行を積極的取るためには、有効なツール

○バイオメカニクスの観点、神経科学の観点、運動学習の観点、解剖学の観点から、歩行の獲得には使用価値があります。(これは今後載せていきます)

○臨床的感覚ですが、運動機能や動作改善が得られやすい

 

最後に,

急性期で長下肢装具で歩く練習されてきた患者さんが、回復期にきて長下肢装具の練習を強い拒否をおこした方がいました。(代行なので詳しくはわかりませんが)

正直、運動機能的には歩行獲得(見守り)もできる方でしたが、当院にきたときには膝関節の伸展制限、長下肢装具使用時に痛み、使用に対する怒りがすごく、車椅子ベースになった方がいました。

中大脳動脈の広範囲な梗塞で左半球の大部分を損傷していました。でも当院きたときは若い方で右麻痺であったため、非麻痺側優位が強かったですが、安定して平行棒内で立位保持ができていました。
発症からの期間、年齢、身体機能,動作能力的には、歩行を見守りのゴール設定が可能です。

ただ急性期からきた状態が悪すぎる。

もちろん急性期で熱心にリハをやってくれたと思ってますし、回復期のものが急性期の大変さをしらずに言うのは失礼ですが。

なんでもっと情動的な面が、もう少し落ち着いた状態でこれなかったのか?

なぜあそこまで強い拒否を起こすような長下肢装具の使い方をしたのか?

起居動作や起立動作で、麻痺側身体の認識をがもっとある身体の使い方にはできなかったのか?

なぜあそこまで伸展制限を作ってしまったのか?

だから,

立位、歩行を積極的に行うことは間違いではないです。ただ、やり方によっては良いリハビリにならない可能性もあります。
皮肉なことにそれを被るのは患者さん。

 

実は僕もあります。

初めて使用した長下肢装具で、介助方法、カットダウンの時期が分からず、効果的なリハができなかった患者さん…
先輩に無理言って外来で見させていただき、最終的には屋外歩行まで獲得しましたが、悔しい経験や罪悪感な気持ちにもなりました。

やってる時はそれが1番いいリハだと思い込み、盲目的になってしまいます。注意します。

 

実際の症例を出しましたが、自戒を込めて。

ただやればいいわけではないですよね!

 

効果のある電気治療も、ロボット治療も、CI療法も。ボバースも認知も全て。

その治療選択には、かなり自分の勉強したこと興味や感心、職場環境、今まで経験してきた背景が強く影響します。無意識に。

それをあたかも自分の治療と頭で認識し、他の治療を否定します。

 

うん、それは辞めよう!

どの業界も自分の尊敬する先生がやっているから。こんなことは普通にあると思います。

でも何をやっても大事なことは共通しています。

やり方をしっかり自分の頭で考えられ、患者さんのために悩むことができるか!
考えることが一番大事です。