セラピストは何を大事に、リハビリをされますか?

Anemone123 / Pixabay

自分のベースとなってる考えや関わり方ですが、当然かもしれませんし、何か発見がありましたら臨床に生かして頂ければと思います。

右大腿骨頸部骨折のおばあちゃんを昨日代診しました。歩行時に右足が引っかかるのが困っていることでした。
(ポイントだけ書きます)

・立位は右体幹側屈位、骨盤後傾、右股•膝屈曲位

・歩行は立脚期での前方の推進力は得られにくく、遊脚は体幹右側屈は残存し、股関節からの屈曲ではなく、膝屈曲(内側ハムスト)での代償し、全体的に左(健脚)への重心移動が不十分でした。

・健脚でも片足立ちができない方でしたので、左右立脚期の中殿筋の出力の弱さは認めました。

歩行や立位の観察は多様ですが、ここからは自分の臨床推論と関わり方になります。

まず降り出しにて引っ掛かる=クリアランスが悪い。クリアランスを作る(良くする)構成要素は??
ex)足関節背屈、膝関節屈曲、股関節屈曲、骨盤軽度後傾、体幹正中位、健脚への十分な重心移動、前方への推進力…。

まだまだあります。もちろん立位姿勢の対称性、患側支持能力(立脚と遊脚は連続ですので)、頭部、肩甲骨のアライメント、上肢の降り!や視線!と挙げる方もいるのではないでしょうか。

きっとどれも影響を与えますね!頸部骨折の医学的な面(術式や侵襲筋)や筋力低下しやすい筋、または今までの生活スタイルによる姿勢などをより考慮できればなおさら、確実に影響を与えられますね。

僕個人は昨日は上記が浮かびました。

この方は頸部骨折の影響もあり、振り出しで必要な体幹の正中位、股関節屈曲が不十分さが、膝の屈曲で代償し、クリアランスを確保していました。そのため持続的な内側ハムストの収縮が必要で、圧痛や緊張増加につながっていました。
(用語で言えば、体幹下部(骨盤も含め)のパッセンジャー機能や股関節屈曲の機能不全が膝から下に過負荷な状態になっていました。そのため長距離歩行ではガストロにも痛みを認めました。)

他にも原因はありますし、もちろん患側の立脚が屈曲位で遊脚に必要な推進力を得られないことも原因ですし。
視点や見方を変えればどこからでもアプローチできます。

 

ここからは自分の推論の確認と、治療に移ります。

まずは臥位で両膝を立て、交互に股関節屈曲をおこなってもらいました。

自分「右足はここに(内側ハムスト)に力が入っていますね」

患者さん「あ、ホントだ。なんで?自然と入るんだろう」

自分「いい方の足を触ってみてください、股関節曲げてもプニプニですよね」
※股関節を曲げるという動きに、膝を強く曲げる動きがインプットされていることをまずは実感。

自分「じゃあここに力が入らないようにやってみましょうか」
※ただこの方の特徴として、右股関節屈曲時に骨盤の右回旋が生じてました(つまり骨盤を水平保持して股関節屈曲ができない。歩行と同じ。)

なので徒手にて骨盤の水平保持を保ったアライメントで、何回か曲げてもらいました。

患者さん「もも裏硬くならないし、すごく曲がる」
※いつもは股関節を曲げると骨盤が回旋し、股関節がつまり、また機能的に股関節屈曲筋を使用できないためハムストに力がはいっていると感じました。しっかり骨盤を保持でき股関節を曲げることで骨盤•股関節の屈曲が成立するので自動可動域も改善。

自分「自分がどこ支えているかわかります~?」

患者さん「その手が筋肉の変わりをしてくれているのね」

自分「歩く時も同じで、足を前に出すときにお腹とお尻がしっかりしとらんと、足があがりにくいから引っかかりにつながるんですよ。お腹とお尻がしっかりすると膝裏にも変に力が入らないですよ~」

 

 

大事なことは…
①自分の足の曲げ方を実感してもらうこと
②良い曲げ方を経験させてあげること
③その良い曲げ方に注意を向けること
④それを繰り返す中で自分の手や言葉の指示をなくしていくこと
です。

その後の歩行も主観的に「軽くなった感じがする」と。客観的にも改善はしていました。
効果量としては分かりません。

もっと改善させられるセラピストはたくさんいるかと思いますが、

自分が臨床してる上で患者さんが「分かる」ことを大事にしています

介入前後で良くなったことが分かる

身体の動かし方が分かる

自主トレの効果が分かる

何の訓練をされている分かる

これが高次機能や情動にアプローチしていることかなーと。

注意の方向付け、何の訓練しているかの理解や安心感、変わったことでモチベーションの向上。

それが能動的な運動学習に。

そしてなによりもまずは痛い手足、なんとも表現しにくい身体となった患者さんの声に、素直に耳を傾けること
自分の治療を優先するのではなく、話を聴くことが時には大事になることがあると僕はかんじています。

患者さんのことを「分かろう」とするセラピストの姿勢ですね!

 

これが大事!

 

時間的、精神的余裕がないと、案外患者さんへの関わりや対応が悪くなってしまいガチです僕。だから振り返る努力をするのです笑
その上で僕は上記のような介入を心がけています。

もちろんみなが上手くいくわけではないですし、重症の方には違う優先すべきこともします。
これは脳科学を臨床に!のテーマにあっているのか…?笑

僕は、後付けですが神経科学でも分かっている、ある意味当たり前的なことですが、これが1つの神経科学を応用した関わりと思っています。

または、自分の関わりが神経科学からも後押ししてくれるということが自分の関わりへの自信やこれを大事にしようと思えるわけです。


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