片麻痺の上肢機能改善②〜40代男性の片麻痺の予後予測(介入前の知識)

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上肢麻痺の予後予測

この方の麻痺の予後予測は?
補助手?実用手?その理由は?
そしてもっと細かく何を目標に、どんな手を目指す?

イメージでは実用手に確実に行ける?と思われるかもしれませんが、その通りです。

年齢、麻痺レベル、高次機能、発症からの期間、やる気において実用手に持っていける方です。

僕のイメージですが、(初発で)発症1ヶ月で上肢がSAISで近位、遠位共にⅢ以上なら実用手と大まかに考えています。

参考は兵庫医科大の道免先生の文献より。上記の方なら半年で5割が実用手と言われているから。
(脳卒中予後予測マニュアル 道免)

もちろん高次機能や感覚、やる気、年齢等が影響しますし、もうちょっと重たい方でも実用手になる方もいますので一概には言えませんが、あくまでイメージ。

SIAS Ⅲというのは手指の分離がかなり拙劣でも若干の分離があること。

そして今の脳卒中片麻痺のエビデンス(Motor recovery after stroke: a systematic review   2009 Lancet)をみると、有効な治療はCI療法、イメージ療法、ロボットなど。

 

上肢の予後即にとって大事な事

まず上肢の麻痺改善にはかなりの好条件の方でないと、いわゆる改善は起こりにくい。
期間ややる気、機能の程度ももちろんですし、ある程度は動く!方を良くすることは可能ですが、動かない方を動くするには、まだ医学は負けているのです。
CI療法、rTMS、ボトックス、ロボット、BMI、、、それでも重度片麻痺の方には納得のいく効果は出ていないのです

まずは上肢麻痺に対し、改善する方はどういう人で、改善するにはどんな要素が影響するのか、
逆によくならない方はどういう症状をもっているのか?(見た目や経験だけでなく)

この両者を文献的に、経験的に、神経科学的に判断しなければいけません。

 

だからエビデンスを知り、随意運動のメカニズムを知り、経験を重ねる必要があります。

さて、この方は実用手にはなる見込みがある。
でも病前と全く同じではありません。

ではどんな手を目指しますか?

この方から聞きましたら

⚫︎髪や整髪料を両手でやりたい
⚫︎女性と食事する時にフォークを使う店に行きたいからフォークを使えるようになりたい

目指すべき目標が決まりますよね。

(例えば、1ヶ月で)
上肢挙上時に肩の痛みをとり、洗髪の可動域と指でかく力の確保。
他にも食事の時間疲れない肩の空間保持機能。肉までのリーチ、フォークやスプーンのつまみ、それをこぼさず口へ運ぶ肘の機能など。

具体的な期間と目指すべき動作、そのための機能改善をするべき優先順位が決まります。

ですので、実は1番大事なことは、退院した後に自分でリハができるように教育することなのです。

たかが1ヶ月の改善程度はしれています。

この方が退院した後も、どういうリハが効果的なのか?どういうリハをしたらいいのか?

これが分かり、退院後もリハを継続できる姿勢を教育できれば、半年後、1年後には洗髪、フォーク、もっと高度な活動に左手を使用できるようになるでしょう。

リハビリづけではありませんが、それだけ上肢機能を改善するには大変なのです。

患者様の中には、1ヶ月後にはひょいひょい動いていると思うんだよなーと本気で思っている方もいます。

急性期から劇的に良くなったからか?

だからこその教育でもあります。

だから一方的な治すという関わりではなく、対話しながら患者様自身が問題解決を図れるような教育的視点で必ず関わっています。


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