<論文紹介>脳画像から上肢機能の予後を考える~麻痺の改善に影響する領域とは~

bog13

脳画像を見るときに、上肢の予後予測のポイントは?今回は「脳出血時に、運動機能改善に関連する脳部位はどこか?」を調べた研究の紹介です。

 

対象

11名の脳出血患者。整形的な既往はなく、初発で、2週間以内は歩行が不可。FMA(手)が60点以下

一般的な脳卒中患者のイメージで良いです

 

評価

評価期間:2週間、1か月、3か月、6か月に実施

評価内容:FMA(手の運動感覚機能の評価) *ほかにも歩行や体幹機能も検査しています

画像評価:MRIにて損傷部位と大きさを評価

 

結果

・6か月後の時点で、

6名が、FMA≦18 =poor recovery 群 (シナジー運動群)

5名が、FMA>18 =good recovery 群 (分離運動群) 

に分けられた。

・脳出血の大きさや年齢では有意差なし

・画像上、回復が不良だった群(poor motor)は、

 内包、脳室周囲白質、被殻前方、運動前野、視床への進展が顕著であったとのこと

 

考察

①内包や側脳室白質(放線冠といってよいか)の低吸収は麻痺が重度化しやすいことは、周知の事実。

内包のような皮質脊髄路が密になっている部位や、脳室周囲の皮質脊髄路の経路が低吸収域になれば重度化しやすい。

また、皮質領域(運動野)も重度化しやすいことは覚えておきましょう。

それに加え、

②例えば、被殻出血の場合、前方進展をすればするほど、上肢麻痺の予後は悪い可能性が高い。

被殻の前方だけでなく、運動野の機能代行を行う運動前野まで、出血が及んでいないかチェックすることが大事です

 

被殻出血でも、運動前野やその白質繊維への出血の進展の有無で上肢の予後は影響を受ける。

またこの文献では、面白いことに3か月⇒6か月でも上肢機能に有意差があると示している。

つまり、回復期でも改善しうる方はいて、改善しうる方を、臨床症状や脳画像から見落とさないようにしたいですね。

 

<参考文献>

The motor Recovery Related with Brain Lesion in Patients with Intracranial Hemorrhage

BeHar Neural 2015