<論文紹介>脳出血後のUSNとADLの関係

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「被殻・視床出血(皮質下)の出血量が、どうUSNやADLと関係するのか?」を調べた文献です

対象者

・32人の右半球損傷患者(平均:58歳±9.7)、被殻出血が16人、視床出血が16人

・発症して、30日以内に評価実施

*全体的にやや若い対象者ではあり、評価時期も亜急性期のイメージ

評価

・CTから出血量と部位を同定

・運動、感覚、視覚機能

・USN、(構造上)失行、病態失認、運動維持困難の有無

・MMSE

・ADL評価(BI)

 

USNグループは、

①USNなし:USN(-)

②一時的なUSN(退院時には消失群):TUSN 

③退院時も持続している群:PUSN

に分けられた。

結果

・32名中、30日以内にUSNを認めたのは、26名(81%)

そのうち、13名が被殻出血、13名が視床出血

・USNの存在の有無に関し、年齢、性別、手術などは相関なし

・USNの有無を上記の3群に分けたとき(被殻・視床を合わせて)

USN(-):6名

TUSN:21名

PUSN:5名

 

被殻出血では

・出血量が関係し、USNが生じた症例の平均血腫量が29.8±17,2ml

・20ml以下ではUSNは生じなかった

・40ml以上の出血量+50歳以上では、退院時もUSNが持続した

 

視床出血では

・血腫量は関係なかった

・退院時にはUSNが消失していた(TUSN群)

・この3群においてADL改善度には、3群間いずれにも有意差あり。特にPUSN群はかなり低いBIを示した

 

考察

・出血量が影響したのは、被殻出血である

・損傷部位に関しては、尾状核や視床だけでなく、側脳室周囲の白質繊維が損傷することでUSNを生じる報告も多い。

・特に白質繊維は皮質間繊維であり、尾状核や視床と皮質を結んだり、頭頂葉と前頭葉を連絡をとっているため、出血量が多ければ、これらの核や繊維の損傷がUSNを重度化させている、また、その回復度合いに関しては、年齢が影響すると考えられる。

・脳画像の情報(出血量や損傷部位)を利用することで、ADLの予後やUSNの予後に役立つ

・60歳前後の被殻出血は出血量を意識しましょう、そしてUSNが退院時も残存するのか、予後予測するとともに、視床出血のUSNは比較的改善しやすい。そして皮質下繊維がUSNの発症や重症化には重要とイメージしてもよいと思います。ただ脳梗塞や80歳前後のデータではないため、注意は必要。

 

<参考文献>

Unilateral spatial neglect in patients with cerebral hemorrhage : the relationship between hematoma volume and prognosis.

Shinichiro Maeshima Journal of Clinical Neuroscience 2002

 


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