<論文紹介>脳画像と失語の回復の関係

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<論文報告>

左半球の被殻出血です。失語の回復度を血腫の進展タイプに分けて追った研究です。

 

対象者

48名の左被殻出血  年齢幅41~77歳 平均は57歳

 

タイプ分け

CTによる血腫の進展によって、タイプを分ける

タイプ1:放線冠に進展

タイプ2:内包前脚と前部放線冠

タイプ3:内包後脚と後部放線冠

タイプ4:内包前・後脚と中間~後部の放線冠

 

脳室穿破の有無でタイプ2~4はa,bにさらに分類

 

失語評価

・SLTA

・SLTAを①聴覚的理解、②読解、③表出(復唱など)、④音読、⑤書き取りに分類

①.②が理解、③~⑤が表出

・評価期間は、発症から1か月、3か月、6か月にSLTAを実施

 

結果

(簡単な結果を抜粋)

・出血量に関してはタイプ1~3と4の間に有意差あり

 

・1か月の初回評価時点で、①、②はタイプ1~3と4の間に有意差あり

→タイプ4は「理解」の部分でかなり、点数が低い

 

・①~⑤すべての項目で、3か月未満に有意に改善するものが多く、逆に3~6か月で有意に改善するものは少ない

 

・理解の項目が初期に改善しやすく、表出はその後。

 

・タイプ2と3では、やや3のほうが全体的に症状は重い

 

・脳室穿破を伴うと、タイプ2と3では、すべての項目ではないが、ところどころ脳室穿破群がより点数が低い。しかしタイプ4では穿破は点数に関係ない

 

 

考察

・出血量の大きさは関係するが、より血腫の進展が、失語の回復には影響する。高次機能の回復は、やはり損傷範囲の大きさや脳の再組織化がどこまで可能かが影響する。

そのため、タイプ4では前方、後方の進展があるため、初期から「理解」の点数が低く、その後の改善度も乏しい。

またタイプ2、3でも若干タイプ2のほうが良好な成績。また脳室穿破にも影響を受ける項目がある。

 

左被殻出血の脳画像や臨床への示唆

 

1:血腫の進展が前方、or後方、はたまたその両方の内包までおよんでいるか。

2:放線冠レベルまで進展しているか

3:脳室穿破の有無は

4:出血量は

 

失語の回復過程は

・1~3か月で改善が著しく、その後はゆるやか

・理解が先に改善しやすい

 

<参考文献>

Recovery Process Prognosis of Aphasic Patients with Left Putaminal Hemorrhage : Relationship Between Hematoma Type and Language Modalities

2013 Keiji komiya


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