今回のテーマは仮説検証について。
私たちの介入対象を
「動作」「行動」とした時、
その対象の動作の異常がなぜ起こっているのか?
仮説を立てていくことから始まります。
今回は、写真にある
「壊れた時計を修理する」ことを例題にします。
仮説を立てるというのは、この時計を動かしている、中の細かなパーツのどこに問題がありそうなのか目星をつけていく作業になります。
この時計は、パーツA~Zまでの26個で構成されているとします。
対象は時計の動作、つまりは針の動きです。
仮説は検証してこそ意味がある
時計のどこか1つのパーツに不具合があり、時計が正確に動かなかった場合、仮説検証をしないで介入(時計の修理)を行おうとすると、
最大26パターン(A~Z)の介入が必要になります。
仮説検証がなく、当てずっぽうで介入をしているのは、まさにこの状態にあたります。
たまたま最初のパーツで当たればラッキーです。
でもたまたまだとすると、また違う壊れた時計を修理する時にも上手く行くとは限りません。
下手をすれば26個目の介入で、やっと動き出すかもしれません。
そこには大きな時間、そして費用のロスが生じることになります。そして患者さんからの信頼も失いかねませんよね。
この26試行を、3,4試行に減らすことができればどうでしょうか?
結果が出るまでの確率を1/26から、1/4にすることができますね。
成功までの最短距離に至る確率を高める。
これが仮説検証の大切さであるといえます。
ボトムアップとトップダウン
ボトムアップとトップダウンという考え方があります。
仮説から問題点抽出に至る場合、
ボトムアップ:26個のパーツ、1つずつが壊れていないかチェックする。
トップダウン:秒針、分針、時針の動きから不具合のあるパーツを絞り込む。
ボトムアップは、問題点を確実に絞り込むことができますが、時間が非常にかかります。(実際の臨床場面では単純に問題は1つでないことも多く、複雑に影響し合うため複雑ですが…)
またトップダウンは短時間で問題のあるパーツに絞り込むことができそうですが、動作のどこに問題がありそうなのかをスクリーニングできる能力が求められます。また大雑把に問題のありそうな所に目処をつけられたとしても、そこに関する知識がないとそこから細かく分析していくことができません。
例えば分針の動きが悪いことが分かったとしても、分針に関わるパーツがどれかを知らなければ結局26個のパーツを調べないといけなくなります。
そのため、ボトムアップ、トップダウン両者の考え方が必要となります。
理学療法士でいえば、歩行周期でスクリーニングし、荷重応答期〜立脚中期に骨盤の前方移動が起こらずお尻が引けてしまう場合、本来のイベントに必要な筋活動を知らないと、ただお尻が引けることしか分かっていないことになります。
対象とする動作に必要な要素を考えておくことで、ボトムアップとトップダウン、つまり身体機能と動作の問題のむすびつきをとらえることができるようになります。
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