オスグッドシュラッター病(以下オスグッド)は、
成長期の子供に多くみられる膝下の痛みで、
スポーツをしているお子さんに多い症状です。
成長痛や、スポーツ障害と呼ばれることもあります。
症状としては、
脛骨結節(お皿の下の骨)が徐々に突出してきて、痛みが発生します。
時には、赤く腫れたり、熱を持ったりします。
休んでいると痛みが無くなりますが、スポーツを始めると痛みが再発します。
治療としては、
成長期の一過性の病気で、
成長が終了すると、多くは治癒するとされ、
この時期はスポーツを控えることが大切と言われています。
上記の症状を強くさせないためには、
大腿四頭筋のストレッチングやアイスマッサージなどを行い、
痛みが強いときは、内服や湿布をするとよいとされています・・・
スポーツ復帰は、
痛みがなくなればスポーツは可能とされ、
発症後3~6ヵ月はスポーツをすると症状が強くなるので、
スポーツ前後にストレッチングやアイスマッサージ、ベルトの装着
などをした上でのスポーツするとよいとされています。
一般的なこの病態・治療
これは果たして正しいのでしょうか?
本当に成長期の一過性のものなのでしょうか?
スポーツは控えなければならないのでしょうか?
治療はストレッチ・マッサージだけなのか?
痛みはすぐなくならないのか?
実態は異なってきます。
オスグッドは成長痛?
“成長期の一過性の病気で、成長が終了すると、多くは治癒するとされている”
上記にそう書かれていますが、オスグッドは確かに成長期の子供に多くみられますが、けして成長痛ではありません。
まずは一般的な成長痛ですが、
12歳未満の小児で、特に原因なく夜間、両下肢に痛みが生じ、
翌日になると痛みが軽快して障害などは全くなく,
普通に歩ける状態となっている疾患を成長痛と呼ぶそうです。
痛みの出現は両側で、大腿、膝、下腿など下肢に多く出現するとされています。
時に前腕、頭部などの痛みを伴ないますが、下肢の痛みと同時に出現するとされています。
また、成長痛の特徴として、筋肉、関節、骨などには異常を一切認めないとされています。
この病態だけ見てもオスグッドと異なることがわかります。
オスグッドは歩く際でも痛みが出ることがあり、
それは翌日になっても持続していきます。
また、脛骨粗面が徐々に突出してきて、痛みが発生させています。
これだけを見ても成長痛の定義と異なっていることはお分かりだと思います。
では、オスグッドとはいったい何なのでしょうか?
答えとしては、
オスグッドはオーバーユース障害。
つまり使い過ぎによる疾患です。
これは、練習・試合の過程でとあることが原因で、
局所にストレスがかかることで引き起こされています。
オスグッドを成長痛と勘違いをしたまま放置しておくと、将来的に多くの障害に見舞われる可能性があります。
それらのリスクを回避する意味でも早めの対処が必要になってきます。
オスグッドの痛みはすぐなくならない?
発症後3~6ヵ月はスポーツをすると症状が強くなるとされていますが、実際はどうなのでしょうか?
答えは、適切な処置を行うことで痛みを出さずスポーツを行うことが可能です。
一般的な治療はストレッチやマッサージなどの筋に対してのアプローチが主体ですが、これでは痛みに対してのアプローチはできません。
まず、痛みが出る要因とされているのは大腿四頭筋による作用とされています。
その説明として、
同じ動作を繰り返し行って、骨・腱・筋肉などに疲労がたまると、オスグッド病などのスポーツ障害が起こります。
走る、跳ぶ、蹴るなどの動きをする時は、太ももの筋肉(大腿四頭筋)が収縮します。
この筋肉は、お皿(膝蓋骨)を介して、脛骨粗面に付着しているので、繰り返しの動作により、付着部分が引っ張られると、炎症が起こります。
ひどくなると、脛骨粗面の軟骨が隆起や乖離が起こりオスグッド病となります。
とされています。
一般的な治療では、この大腿四頭筋に対してのアプローチとしてストレッチ・マッサージを行うとされています。
ここで何か疑問に思うところはありませんか?
まずなぜ大腿四頭筋を優位に使ってしまうのか?
アプローチは筋だけに行うのか?
など筋だけのアプローチだけでは不十分だと感じませんか?
実際これだけでは痛みを取り復帰させることはできません。それどころか、将来後遺症を残してしまう可能性があるのです。
ではどのようにアプローチすればよいのでしょうか?
問題になるのはどのような姿勢でどのように動作を行っているのか。またそれによって筋と骨の位置関係が変化していないか?これが大きな二つの問題になってきます。
このような問題点を修正するにはどのようにアプローチするべきでしょうか?
答えは、動作の中から修正し、治療していくことが必要になってきます。
オスグッドを起こす年齢の子供たちは骨盤を前傾させ、大腿四頭筋を優位に使う姿勢を取りやすくなっています。
さらに体幹を固めて使う傾向も見られます。
その結果上記のような症状が起こります。
さらに、骨に牽引がかかることで筋と骨の位置関係も変化し、局所に対してのストレスを多大にしています。
そのためまず姿勢動作を修正しながら、骨と筋の位置関係を修正していかなければいけません。
まず、大腿四頭筋優位の動作を修正していきます。
ポイントになってくるのは股関節です。
このような使い方をしている場合まずは股関節が使えているかをチェックする必要があります。
これを確認する簡単な動作としてスクワットを利用します。
スクワットを行ったときに膝が足部より前へ出ていないか。
股関節からしっかり曲げられているかをチェックします。
できていない場合はこれを修正します。
次に骨と筋の位置関係ですが、オスグッドではさまざまな動作で痛みが出ます。
なのでそれを考えたうえでランジ動作・スクワット動作などで痛みが出ない位置に誘導してやることで筋と骨の位置関係が修正され痛みが出なくなります。
これを数回繰り返すことで身体が正しい骨の位置関係を記憶していくので痛みが出ていた位置に戻りにくくなります。
このような大きな二点を利用することで痛みをなくし、早期復帰に結び付けていくことができます。
既成概念にある休ませるという考えから脱却し、動作の中から修正することで復帰が早まります。
特にこの年代の子供たちは早期に復帰させてやる必要があります。
それはこの年代だけにしかない非常に大切な期間が存在するからです。
さらにそこにある要素をプラスさせてあげることで、オスグッドを克服し、さらにパフォーマンスを上げることが可能です。
パフォーマンスアップに関しては、またの機会に書かせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました!!
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