注:画像はもちろん小松ではありません。
では今回も頂いた感想から見えてくる小松像を書いていこうと思います。
前回お見逃しの方は以下の記事を御覧ください。
現象と仮説検証を大切にする:小松洋介とかいうセラピストの”臨床感”①
では今回のテーマは、患者さんの実感についてです。
相手の内感・実感を大切にする
・患者さんがどう感じているか、という点をすごく丁寧に、重要にしている点。
・気づきや経験といった点をより実感しやすいように声かけやハンドリングを行なっていると感じました。
・客観的評価のみではなく、患者役がどう感じてるかを大切にしてた印象があります。
・相手(対象者)の内観を重要視されているように感じました。
私は、相手の実感を大事にしたいと思っています。
もちろん、姿勢や動作、動作の遂行時間やスコアなどの客観的な変化も大事ですが、客観的な数字だけが変化することはあまり良いと思っていません。もちろん生活における実用性を考えた場合、歩行距離や歩行速度が向上することは大切です。FIMの点数が上がり、自立度が上がることも大切です。
でもそれだけで本当に良いのか?と目の前の患者さんとのやり取りで考えさせられることが多くあります。
セミナーに参加してくれた1年目のセラピストの方から以下のようなメッセージをもらいました。このメッセージの中になぜ客観的な変化だけでは不十分なのか?その理由があります。
小松先生のセミナー後、ある患者様のリハを代行する事になり、気になる部分や今の体の状態についてどう感じているかなど話しながら、実施しました。
最も訴えが強かったのは、リハ中の動作指導において、”良い動き”が出た際も、ご本人は何が良いのかどの部分のことを言っているのか分からない、かと言って無意識に出ているものが持続するわけでもなく、毎回同じことを言われる。とのことでした。
セミナー内容に沿って自分なりに仮説、検証してみました。
その患者様はフィードバックをしっかりしてくださり、私が想像している以上にご自身の体の事を理解しているようでした。
実際の患者様に対して行うハンドリングに難しさも感じましたが、うまく動作に反映されたときは、心の中でガッツポーズでした。
同時に患者様自身も力の入れ方や動作のスムーズさを感じて頂き、共有できることに嬉しさを感じました。しかし今回反映できた部分もほんのわずかで、見るべきポイントや仮説の量、評価力をもっと身につける必要があると感じました。また患者様と共有できるリハビリの大切さを改めて感じました。
青字にあるように、良い反応や動きが出たとしても、その人にとって「変化の実感」が伴わないと喜びも感じられませんし、何より良い反応を出すための「ルールの実感」がないと一人で再現することができません。
「変化の実感」は大切です。もっと良くなる!という自分の身体の変化への期待感は今後のリハビリにとってのモチベーションとなります。動きにくく、感じにくく、思い通りに動かない自分の身体部位のネガティブなイメージを払拭するチャンスとなり得ます。
しかし変化の実感だけでは不十分です。
「ルールの実感」がなければ、その成功体験はその場限りのものになってしまいます。
ルールとは、
患者さん自身が望む結果を生み出すための、自分の身体の使い方・感じ方のルールです。
簡単に言えば、
「◯◯すれば、⬜︎⬜︎(望む結果)になる」
ということですね。
この◯◯を患者さんと一緒に見つけていく作業が、仮説検証で大事な部分ですし、次回書くハンドリングで大事な部分となります。
どんなに介入で良い反応が出たとしても、それが患者さんにとって再現できるのもでなければ、運動学習、生活動作への汎化にはつながりません。
そのためには
今、何をどう感じているのか?
何を望んでいるのか?
を常に考えておかないといけません。
そのために会話をし、表情を見て、身体反応と合わせて仮説を立て続けること、そしてその仮説を一つ一つ検証していくことが大切だと思っています。
小松のセミナーのご案内(開催日順)
①4/29,30(土日)愛知
「脳卒中患者に対する仮説検証力を磨く」
講師:小松 洋介
【残り4名】4/29,30(土,日)愛知 「脳卒中患者に対する仮説検証力を磨く」セミナーのご案内
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②5/13,14(土日)愛知「嚥下につながる姿勢分析のための骨と筋の評価と介入」
13(土) 基礎編:姿勢分析のための骨・筋の評価
14(日) 実践編:摂食嚥下のための徒手的アプローチとポジショニングテクニック
講師:小松 洋介
【残り2名】5/13,14(土日)愛知:「嚥下につながる姿勢分析のための骨と筋の評価と介入」のご案内
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③6/4(日)神戸 (主催:Work Shift様)
言語聴覚士限定セミナー 嚥下のための姿勢評価と姿勢へのアプローチ
【6/4(日)神戸:言語聴覚士限定】「嚥下のための姿勢評価と姿勢へのアプローチ」
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④6/17,18(土日)東京
「言語聴覚士向け 姿勢分析のための骨と筋の評価と介入」
17(土) 基礎編:姿勢分析のための骨・筋の評価
18(日) 実践編:摂食嚥下のための徒手的アプローチとポジショニングテクニック
講師:小松 洋介
【満員御礼!】6/17,18(土日)東京「ST向け 嚥下につなげるための姿勢分析:骨と筋の評価と介入」
ご興味がある方は、是非是非遊びにきてください!!