リハビリテーションとGRIT

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「GRIT」ってご存知ですか?

GRITとは、情熱と粘り強さを合わせ持った「 やり抜く力」と表現されます。

「GRIT」が昨今注目される理由は、様々な分野の成功者の多くがこの力を身に付けていたからです。才能やIQだけでは成功できないことを示したからです。

一流や成功と言うと大それた事で自分には関係ないと思われるのではないでしょうか。しかし、このGRITは誰にでも共通して重要な力です。

私たちが人生の中で何かしたいと考え実行している時、それを達成するためにこの力が必要なのです。(科学的に立証されている)

セラピストであれば、学生時代に厳しい実習を乗り越え、資格取得の勉強をした方はある種GRITが高かったのかもしれませんね。

今日は、このGRITの中で1つ重要な部分をご紹介します。

いち早くGRITを知りたい方は、ぜひこちらの動画をご覧になってください。

<ペンシルバニア大学心理学教授 アンジェラ・ダックタース氏> 

みごとに結果を出した人たちの特徴は、「情熱」と「粘り強さ」を合わせもっていることだった。つまり、「GRIT」(やり抜く力)が強かったのだ。

 

情熱と粘り強さとは?

まず、情熱的に仕事に取り組むって何でしょうか?ワクワクして仕事に打ち込めることでしょうか?夢中になることでしょうか?

ここで言う情熱とは上記のような表現ではありません。アンジェラ・ダックタース氏は以下のように紹介しています。

ひとつのことにじっくりと長いあいだ取り組む姿勢

 

 

つまり、テンションが高く熱中しているわけではありません。もっと冷静で静かな内的なモチベーションなのです。

 

さて、過去に苦しい経験を積み何かを達成した人であれば、GRITのイメージが付いてきたかもしれません。

 

すると「セラピストとしてずっと働いている人はGRITは高いんじゃないの?」と、そんな風に思われませんか?

または「今の時代1つの仕事だけではリスクが高い。様々な経験を重ねた方がリスクヘッジになるんじゃね?」

最近の書籍を読んでる方はこんな風にも思われるかもしれません。

まさにアンジェラ・ダックタース氏も、マッキンゼー、中学の数学教師、心理学者という様々な経歴の持ち主です。この方も大きなことを成し遂げた方の1人ですが、コンサル業、教師、学者と様々な職についております。

昨今の療法士業界はこのようにキャリアで悩む人も多いかと思います。

 

さて、どちらがいいのでしょうか?

 

僕がここで伝えたいことは、1つです。

「長期的な目標に向かい、意図的な努力(練習)を行っているか」です。

長期的な目標を達成するために必要なことであれば、転職をしたり、様々なフィールドで経験を積み課題を解決していくべきです。そうでなければ、今の環境で意図的な努力を行うと良いでしょう。

この意図的な努力が重要で、、同じ環境下で長く勤めているセラピストでも、明確な目標もなく漫然と業務をこなしているのであれば、GRITは高くありません。

逆も然り、病院から地域リハビリに転職した場合、初めは新しい環境で意欲的になるでしょう。でも慣れてしまえば、自分の目標も忘れ、何が今できて目標には何が足りないのか?を考える機会もなくなれば、GRITが高いとは言えません。

 

一見「やり抜く力」と聞くと、同じことを長く続けることと思う方もいるかと思います。(日本人ならではの我慢が美徳)

そうではなく、目標に向かいやり抜くということであるため、1つの職種を全うすることではありません。また、逆に目標と関係ない仕事を経験として積む必要もありません。

私たちの多くは若くしてセラピストの養成校に行きました。色々なことを経験し自分が好きなことを判断できた上で就いた仕事ではないかと思います。偶々セラピストが天職だった人は問題はありませんが、そうでない方も多いと思います。

ちなみに、どの業界でも「天職」として働けている方はその業界全体の3割の人だそうです。つまり、他7割は「生活・給料のため」、「キャリアアップのため」の方々です。

それでは、意図的な努力について考えていきましょう。

目標と意図的な努力(練習)

まずは目標を立てる際、上位ー中位ー下位と順々に目標を立ててみましょう。

上位の目標は、まさに人生の目標や仕事の長期的な目標。抽象的で基本的には変更をしない目標です。

中位はその上位目標を達成するための手段の目標。下位は中位の目標を達成するための手段の目標。

ロジックツリーのように長期目標が細分化されるわけです。

例えば、

上位目標:「高齢者や介護者の双方が無理なく、穏やかに暮らせるように支援をする」ことが人生を通じて行いたい仕事である

中位目標:(1)在宅生活で家族・多職種への介助指導ができること。(2)… (3)…

下位目標:(1)-①介助指導技術を会得する。(1)-②コーチングを身につける

このように目標を段階付けは比較的簡単です。(上位目標がある人の場合)

ただ、できないのが中位目標を達成するためには自分は何を満たしていて、何が足りないのか?を考え、一定期間ごとに改善のサイクルを回していくことが、とても難しいです。

成功者はこの改善サイクルを辛抱強く行っているというわけです。失敗してもポジティブな思考を持つことを意識し、次なる戦略を考える。そして、達成するためのスキルや知識、経験を意図的に練習をする、この改善サイクルを継続するのです。

 

上の例で言った場合、(1)-①で中位目標に介助指導ができることと置いた場合、介助指導ができるということは「どういう状態」を差し、「どんなスキルが必要なのか?」を考え、一定期間がきたら自己評価を行い、下位目標が達成できていない場合は、なぜ達成できなかったのかを分析し、下位目標を変えるのか、やり方を変えるのかを考えていくという感じです。

 

下位目標は積極的に変更しても良いのです。例えば、介助指導を行うことために、2つ事業所以上、訪問リハビリの事業所を1年以上経験するという下位目標を設定した場合なら、1年半で訪問リハビリから訪問リハビリに転職してもいいのです。

 

ここで最も重要なことは「意図的な努力です」。介助指導技術を高めるために、介助指導の練習を意図的に行ったか?なのです。

介助指導技術を高めるために意図的に環境変化を自分から行ったか?なのです。

 

つまり「何も考えず、業務後に介助指導の練習を時々行っています」では意味がありません。課題を何として、それを達成するために何のスキルを取得しようとしてて、それに集中して取り組めたかが重要なのです。

 

このように目標を細分化し、課題を整理し、意図的な練習する。

がむしゃらに同じことを繰り返すことに努力すればいいわけでもなく、少しダメだったからといって簡単に諦めるわけでもなく、自分が好きなことにチャレンジし、粘り強く継続する。

まさに「継続は力なり」ですが、継続の仕方を考える必要がありそうです。

これは、患者さんのリハビリテーションにも合致します。

目標の達成も曖昧で、改善も維持もしているのかしていないのか分からない漫然としたリハビリを1年している。これでは利用者さんがやり抜く力を発揮することはできません。

そして、最後に。

長期的な目標がない方もいると思います。いつか見つかるだろうと考えている方もいるかと思います。ただ「身体に電撃が走ってまさにこれが自分のやりたかったことなんだ!」なんてことはそうそうありません。

ない方はまず自分の好きなことや楽しいことは何なのかと考え、行動し続けることです。その中で、やってみて継続してみて「続けてみよっかな」と軽い気持ちが徐々に魅了され、一生の仕事になります。つまり、初めから「これだ」と人生をかけ取り組むことが分かる人は滅多にいないのです。

もしかしたら40代や50代で、それが見つかる人もいるかもしれません。それでも70際まで働くとしたも30年近く、目標を据えて取り組むことができます。

 

ぜひ、興味を持った方は以下の本で深めてみませんか。

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

 


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